求人広告あるある話です。
学生さんをはじめ、転職中の方などに「求人広告に書かれていることをどう思っていますか?」と聞くと、ほぼ全員が
「あまり信用はしてないですね」
と答えられます。
同じ質問を企業の採用担当の方々にしても、
「仕事を“探しているときは”、あまり信用してなかったですね」
と同じように答えられます。
ここで注目して欲しいのは、“探しているときは”という部分です。企業の採用担当のみなさんは、自社に最適な人物と出会えるように、一生懸命に求人広告をつくられています。「うそをついてでも振り向かせればいいや」とか、「ことさら良く見せよう」など、絶対にされていないんですよね。
では、どうして求職者のみなさんには、「いいことしか書かれていない」と思われてしまうのでしょうか?
一応、求人広告の制作に携わっている者として基本をお伝えすると、
- ウソ、誇張は絶対にダメ
- 客観的な証明のない比較データやランキングデータは使わない
- できる限り等身大に努める
という風につくられています。
でも、ほとんどの方が信用していない・・・
たぶん理由は、こういうことなんじゃないかと思います。
- ウソは書かれていないかもしれないが、受け入れ難いと思えるようなことは伏せているのではないか?
- いろんな事柄が数値化されていなかったため、そこまで(きつい、ひどい)とは思わなかった(という経験から)
(例えば、「たくさんつくります」と書かれているだけで、実際は1000個だったら、みなさんは多いと思いますか? 少ない、「これなら楽勝」と思いますか? 「多いよ」と思った人には、たぶんウソの情報と思われてしまうかもしれません)
- ブラックな就職話ばかりがマスメディアで扱われているので、そういうものだと思い込んでいる
- 実は求人広告に書かれていることをすべて読み込んでいない(人もいる)
- 先輩や友人がそう話していたので、そういうものだと思っている
という推測ができます。
でも普通に考えれば、以前は信用していなかったという人が発信側になった途端に、「ことさら良く見せてやるぜっ!」と考えを豹変させるはずはないんですよね。
ここからは、ちょっとしたアドバイスです。
面接などでは、求人広告に書かれていることの確認・質問に終始するのではなく、ぜひイメージを膨らませて、書かれていない部分も聞いてみてください。さきほどの例ではないですが、「たくさん」「少し」などの記述があったなら、具体的な数字を教えてもらいましょう。
だったら、ツライこと、厳しいことも書いておけばいいのでは? と言われそうですが、以前、学生さんにこんなことを言われたことがあります。
「大事なことなんでしょうけど、厳しい部分ばかりクローズアップされると
夢がなくなってしまうので、そればかりになるのは・・・ちょっと」
求人広告には、スペース的な制約もあります。なんでもかんでも書けるわけではありません。ただ覚えておいていただきたいのは、求人広告を出稿される企業だけでなく、求人広告を見て活動してくれる学生さんや転職希望者のみなさんも、私たちにとってはお客様なのです。
一人でも多くの方に信用していただけるように、今日も精進します。